「ケンタウロスの末裔」
自転車の形態は美しい。人間を載せて自走するための、用を備えたムダのない流線的フォルム。では我々の肉体はどうだろう。足は足、頭は頭として、役割を担う。
…果たしてそうか?腕は本当にそう使うものなのだろうか、尻はサドルに載せるためのものだろうか。そして、それらをどう使う?あり得たかもしれない、ぎこちなく
もそのものでしかないカタチ。仮想的なカラダの有り様、その使い方について、ちょっと考えてみよう。
阿目 虎南 / AMOK Conan
振付家/ダンサー 燦然CAMP主宰
A5yl/燦然光芒芸術監督 さいたま市出身。武蔵野美術大学彫刻学科卒。2008-2019年 大駱駝艦に所属、麿赤兒に師事
主な振付/出演舞台:「大馬車道 虎の舞」(文化庁、現代舞踊協会主催) 英国アカデミー賞公認映画祭 Aesthetica short film festival ダンス部門入選(主演映画、James Latimer監督「BUTOH DANCE」) International Gombrowics Festival 団体賞受賞
「五百年前の原動機付自転車」
巷で言われる「原付」とは、「原動機付き自転車」の略称である。元々は自転車に小型エンジン(50cc未満)を搭載したシンプルなものだったが、時代の流れと共にスクータータイプが主流となり、所謂「原付」は、ここ50年で殆ど見られなくなった。近年は「電動アシスト自転車」が新たな主役となっているが、今回その時代に逆行して「原動機付き自転車」をつくってみた。しかしながら制作の過程で、時代を逆行し過ぎてしまい“500年前の原動機付き自転車”となってしまった。
飯島 浩二 / IIJIMA Koji
1973年横浜市生まれ、2011年〜さいたま市在住。1997年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業。1999年文化庁国内芸術インターンシップ研修員。2007年からは米国ロサンジェルスを拠点に活動。2011年に文化庁新進芸術家海外研修を終えて帰国。 主な展覧会は、光州ビエンナーレ2004(韓国)、第2回パリクティン火山国際芸術祭(メキシコ)、さいたまトリエンナーレ2016<ホームベースプロジェクト>など。
現在、NPO法人コンテンポラリーアートジャパン理事、女子美術大学非常勤講師、武蔵野美術大学特別講師、さいたま国際芸術祭2023市民プロジェクトキュレーターなど。
「クーリングターボチャージャー」
自転車という道具は人類の偉大なる発明だ。故に自転車泥棒は大罪である。
市川 平 / ICHIKAWA Taira
1965年東京都生まれ。特殊照明作家。1991年武蔵野美術大学大学院修了。
主な個展に「TOKYO UNIT LIFE」(スパイラルガーデン、1993年)、「真空の香り」(西村画廊、1997年)「バオバブ・プランテーション」(キリンプラザ大阪、2000年)など。
主なグループ展に「知覚の扉」(豊田市美術館、2010年)、「鉄道美術館」(岡本太郎美術館、 2016年)、「ラブラブショー2」(青森県立美術館、2017年)、「セルフコラボ展」(発電所美術館、2021年)などがある。
www.taira-ichikawa.com/
「新作・暴走花いけ号」
今回の暴走花いけ号は静岡県島田市の竹林で伐採し、制作したものです。この作品は中に入ることもでき、お茶 室にも変貌致します。
展示中は是非とも、中でおくつろぎください。
上野 雄次 / UENO Yuji
花道家/アーティスト 1967年生まれ。1986年華道を学び始める。
国内外展覧会でのインスタレーション作品発表 2005年〜「はないけ」のライブ・パフォー マンスを開始。 創造と破壊を繰り返すその予測不可能な展開は、各分野から熱烈な支持を得ている。 コラボレーションも多数。青葉市子、コムアイ、山下洋輔、矢野顕子、アート・リンゼイ、ジェフ・ミルズ他。
著書Japanese IKEBANA for every season (Tuttle社) 花いけの勘どころ (誠文堂新光社) 。
出演 NHK あさイチ TEDxTokyo 他多数。
「足踏み駆動式遊覧椅子」
対話型足踏式よもやまお散歩マシーン、足踏式駆動で進む車椅子のようなもの。
介助式車椅子のように人を乗せ、風景を巡りながら語らう、あるいは沈黙する。
何処かにて、ゆっくりと進みながら風景が移ろうことにより何らかの記憶がゆりおこされるような体験と、その出来事を共有することを試みる装置。
牛島 達治 / USHIJIMA Tatsuji
1958年東京生まれ。80年代初頭、現代美術の寺子屋、「Bゼミ」に参加するも1年で中退。その後独学で活動を始める。2003年より武蔵野美術大学彫刻学科などで、講師を務める。
メカニカルな仕組みや時間軸にともなう変化=動き、自然科学や終わりのないいとなみに惹かれる。しかし、私の表現(≒問い)は、それらを造形的に、あるいは、工学的な合理性で解決しようとは思わない。いずれも大切な方法ではあるが、どちら側にも寄りたくはない。造形と工学を地平として立ち上がるのだが、頭部をどこにむけるかということ、例えば、僅かにずれた2枚の図像から視線のコントロールで立体視する時のように、第三の状態の所在を組み立てて行きたい。
「自転車に乗った幸せを運ぶ龍」
龍は不老不死の力を持ち、日本では古くから水を司る豊穣の化身として崇拝されてきた。この作品は、郵便局で長く使用されてきた特製の自転車を再生して、龍の彫刻を纏い、豊穣の知らせを運んでくる象徴として表現する。世界が混迷にむかう現代において、龍が幸せの知らせをもたらしてくれることを望みたい。
大野 公士 / OHNO Kouji
1971年東京生まれ、現在は日本とオランダを拠点に活動中。
1996年多摩美術大学大学院彫刻専攻修了。国内外にて作品制作発表を行う。医大にて解剖学研究を行う。2008年よりオランダを中心として海外で活動を本格的に開始。2016年から2017年まで文化庁在新進芸術家海外研修にてオランダ滞在、その後2020年まで同地で活動。表現についての重要な概念は、「存在についての考察」と「死生観について」であり、これらの概念が世界とどのように関係しているのかを考察し、分析している。イスラエルウィルフリード美術館、ヴェネチア・ビエンナーレ2019、Art Basel VOLTA 2019、などで展示。六甲ミーツアート2019ではオーディエンス大賞受賞。
「・覆面パトカー(w#96 2007)パフォーマンス時 ・覆面パトカー2(w#198 2016)走行時」
世の中にはウソやニセモノが溢れています。
ウソやニセモノを社会から排除する警察でさえもウソやニセモノを必要とします。世界中に存在する覆面パトカーも その一つです。ホンモノの「覆面パトカー」は「パトカー」が「普通車」を装いますが、作品の「覆面パトカー」では「普 通車」が「パトカー」を装うという反転が起こります。
さらに「覆面パトカー2」(走行時)は「覆面パトカー」を装う「普通車」です。
岡本 光博 / OKAMOTO Mitsuhiro
1968年京都生まれ。1994年滋賀大学大学院修了。
アメリカ、ドイツを中心に、スペイン、インド、台湾など海外のレジデンスプログラムに参加。2012年京都にKUNST ARZTを開廊。2016年作品図鑑「69」発行(MIPress)。2016年個展「UFOafter」苫小牧市美術博物館、2015年「化け物」青森県立美術館、2010年神戸ファッション美術館「ファッション綺譚」ほか国内外の多くの展覧会に参加。
「未来へ号」
今回はお茶をのめないので、カッパ師匠のサイン会がひらかれます。(これはカッパのサインがもらえる滅多にな いチャンスだ!!)
未来へ号に夢を書いていただけます。
カッパ師匠 / KAPPA Shisho
1979年静岡生まれ。未来芸術家。
未来へ号 の略歴
2006~2007 1号(ドミンゴ)
2007~2009 2号(タウンエースノア)
2009~2012 3号(デリカスペースギア)
2011~継続中 4号(コースターバス)
2012~2015 5号(エブリイ)
角 文平 / KADO Bunpei
1978 福井県生まれ 東京在住
2002 武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科金工専攻卒業
2008-09 Cite International des Arts(パリ)滞在
個展
2022「 宇宙の箱舟」:渋谷ヒカリエ 8F CUBE1,2,3[東京]
2021「The garden/Secret room」:アートフロントギャラリー[東京]
2018「Fountain/Sleep」:アートフロントギャラリー[東京]「Artificial forest」:ギャラリー・シュタイネ[長野]
グループ展
2022 第25回岡本太郎現代芸術大賞展:川崎市岡本太郎美術館[神奈川]"Space Synphony" Paradise Art Space:Paradis City[仁川, 韓国]
2021 どこ×デザ in 旧日本銀行広島支店:旧日本銀行広島支店 [広島]
2020 sanwacompany Art Award 2020 Art in The House2020:サンワカンパニー東京ショールーム[東京]
2019 Reborn~未来へのアップデート~II 未来を発明:福井県立美術館[福井]六本木アートナイト2019「 オープンコール・プロジェクト」: 六本木西公園[東京]
賞歴
2020 sanwacompany Art Award 2020 グランプリ
2013 Art in office 2012 CCC AWARDS グランプリ
2008 武蔵野美術大学 パリ賞
2007 第10回岡本太郎現代芸術大賞展 特別賞
2006 第9回岡本太郎記念現代芸術大賞展 特別賞
「follow a road」
どこかに行く時、地図を見てどんな所だろうと思いを巡らせる。
徒歩より長い距離を移動でき、その土地の空気感をより感じることができる、自分の漕いだ力によって進んでいける一番手軽な乗り物である自転車には親しみがある。
今回は、人間が作り出してきた“道”や、さいたま市の地図から見えてくる輪郭線や面の要素を切り取って形にし、自作の金属パーツを自転車に這わせていく。スクラップアンドビルドを繰り返してきた人や地域の営み、時の流れを感じさせる作品にしたいと考えている。
久野 彩子 / KUNO Ayako
1983年東京都生まれ。2008年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科金工専攻卒業。2010年東京芸術大学大学院美術研究科工芸専攻(鋳金)修士課程修了。
人間が作り出しているものの混沌とした様相、繰り返してきた創造と破壊という行為の儚さや脆さ、そこから生まれる力強さを、金属で緻密な表現を可能とするロストワックス精密鋳造技法を主に用い、真鍮やシルバー等の金属に置きかえて作品を制作している。
主な活動経歴は、道後アート2023 クラフトミュージアム「U.F.O.-Unidentified Fabulous Object-未確認工芸物体」展(ホテル古湧園 遥/愛媛)、「コレクション展1 うつわ」(金沢21世紀美術館/石川)、奥能登国際芸術祭2020+ スズ・シアター・ミュージアム「光の方舟」プロジェクトメンバーとして参加、アペルト11「都市のメタモルフォーゼ」(金沢21世紀美術館/石川)など。
コン・シデン / Kong SIDEN
カンボジアの実験的かつ批評的アートプロジェクトグループ「Sa Sa Art Projects」に所属し、アーティスト、デザイナー兼デジタルコーディネーターとして活動。彼の作品は、光や音を用いた写真、ビデオ、彫刻など様々なメディアにわたる。
制作活動を通して、現代の人々の視点、環境、社会に目を向けている。また、鑑賞者が持つ独自の経験を観察し作品に反映させることにより、鑑賞者と作品を結びつけている。
「リヤカーメラ」
移動式のCamera Obscuraである。籠部分に乗客がのり、移動する事によりイメージが動画となって風景を映し出す。もともと1997年に参加したバングラデシュビエンナーレで制作したリキシャカメラが原型になっている。私自身が面白がっている光がイメージになる仕組みを、幅広く体験してもらうため写真作品とともに制作を続けている。この赤は森の中で一番目立ち疾走感が持てるように赤に3%の黒を混ぜてフェラーリレッドにした。
佐藤 時啓 / SATO Tokihiro
1957年山形県酒田市生まれ。さいたま市在住、東京藝術大学先端芸術表現学科教授。長時間露光により風景や物事の間に光を彫り込んでいくような写真作品の制作や,カメラの構造による公共的な場や空間,装置を各地に展開している。2000年代からは、ワンダリングカメラやバスカメラなど移動する事と組み合わせた乗り物としてのカメラを制作。リヤカーメラは2011年から展開しており、写真作品というスタティックなものを制作しながらダイナミックな光によるイメージの体験普及に力を注いでいる。
「人生に彩りを添える新しい自転車の使い方を考える会」
自転車は多くの人が使っている。とても手軽で便利な乗り物だ。歩くより早く移動ができる。ガソリンも使わない。人間の力を拡張する道具。自転車の仕組みや構造は美しい。理にかなっている美しさ。改めて説明するまでもなく自転車は魅力的だ。そんな自転車を更に便利に、更に魅力的にすることは可能なのだろうか?今回、無茶は承知のもとで「人生に彩りを添える新しい自転車の使い方を考える会」を開いてみる。
佐塚 真啓 / SATSUKA Masahiro
1985年静岡県静岡市生まれ。丑年。おうし座。長男。A型。右利き。1992年、鳥山明の漫画ドラゴンボール27巻に出会い感動する。中学、高校は丘の上の男子校に通う。チャリ通。2005年、武蔵野美術大学入学と共に上京。2009年、ムサビ卒業。2011年、青梅市に移住。2012年、友人知人と共に「国立奥多摩美術館」を企画。2018年、「株式会社佐塚商事 奥多摩美術研究所」を設立、所長になる。常に「美術」という言葉が色々な物事を考えるときのキーワードになっている。1日8時間の睡眠を心掛けている。冬はガタガタ震え、夏はダラダラ汗をかき過ごしている。
「ねこまみれチャリ」
2019年頃より終年を迎えようとする飼い犬を形に留めようと制作を行なっていた。
秋の台風19号により荒川河川敷のアトリエが水没、後片付けの休憩中、近隣の猫が何事もなかったかのようにあくびをしながら日向ぼっこ・・・その存在の不思議さから制作を続けている。
今回は自転車とのマッチングによる制作との事、不思議なもとの出会いを試みたい。
樋口 保喜 / HIGUCHI Yasuki
1959年三重県生まれ。1991~さいたま市(大宮市)在住。1985年武蔵野美術大学大学院美術研究科彫刻コース修了。1989年武蔵野美術大学パリ賞によりパリ滞在。1990年より主に鉄による作品を制作、個展、グループ展開催多数。2019年頃より小さなの犬や猫を制作。2022大地の芸術祭(新潟県十日町市)など。
「対象 - 神社の場合」
神社に出向いて手を合わせること。この行為によって得られる安堵とインスタントな満足感を、コンパクトにして持ち運ぶことにした。収まりの良くなったそれは、仮設壁の中で胎動し、姿を現す日を待つ場所エネルギーを内包したまま、点々とその留まるところを変え人々の目に晒される。ひょいと持ち上げられては下ろされる、鳥籠の中 の小鳥のように。
李旭&細井えみか / LEE Asahi&HOSOI Emika
ともに2018年武蔵野美術大学大学院美術専攻彫刻コース修了。2019 年「くんねっぷアート・タウン・プロジェク ト」での滞在制作と作品設置を機に、鉄を主材とした彫刻作品の共同制作活動を開始。ものから生まれる動力や、 人が織り成す行為の軌跡を辿り、可視化する。
2019年レクリエーション公園(北海道常呂郡訓子府町)、2020年会計事務所(東京都千代田区)などに作品設置。
「扇風力推進自転車」
畳でくつろぐ、座布団を敷く。かと思えば茶を立て正座で座ってみる。茶道、柔道、畳は「道」なのである。畳の歴史は縄文時代にまで遡るという。江戸時代には富の象徴でもあった。我々もアグラをかいてはいられない。ちゃぶ台も畳も返さない、明鏡止水のような乗り物を、足の爪でも切りながら考えていたところだ。 秋近き 心の寄るや 四畳半/松尾芭蕉コンセプト 畳でくつろぐ、座布団を敷く。かと思えば茶を立て正座で座ってみる。茶道、柔道、畳は「道」なのである。畳の歴史は縄文時代にまで遡るという。江戸時代には富の象徴でもあった。我々もアグラをかいてはいられない。ちゃぶ台も畳も返さない、明鏡止水のような乗り物を、足の爪でも切りながら考えていたところだ。
秋近き 心の寄るや 四畳半/松尾芭蕉
shin-sei & ONIGIRI
共に1995年生まれ。武蔵野美術大学彫刻学科を卒業。 フリースタイルラップのパフォーマンスアーティストshin-seiと、鉄の可動式作品を制作するONIGIRIからなるアートチーム。「扇風力推進自転車」は、同大学卒の小野亮太がデザインを手がける。
「穀」
ポン菓子とは、米などの穀物に圧力をかけた後に一気に開放することによって膨張させた駄菓子です。地域によって、ポンポン菓子、こめはぜ、バクダン、等と呼ばれます。“穀”は、戦時中に再発見され、軽トラックなどでの移動式販売の形で、戦後〜昭和の時代に愛されたポン菓子屋に焦点を当てた作品です。大きな爆発音とその形状は、戦争をイメージさせるものですが、産み出されるのは素朴な駄菓子です。
YOTTA
ヨタ(Yotta)は、木崎公隆・山脇弘道からなる現代アートのユニット。2010 年結成。ジャンルや枠組み、ルールや不文律など、あらゆる価値観の境界線上を発表の場としており、それらを融解させるような作品制作を行っている。現在は、自分達のアイデンティティから世界のカタチを捉え直す作品シリーズを制作中。2015年に「金時」で第18 回岡本太郎現代芸術賞 岡本太郎賞受賞ほか、 六本木アートナイト2010,2012、おおさかカンヴァス2011,2012,2016、Reborn-Art Festival 2017,瀬戸内国際芸術祭2019など参加多数。その他、のせでんアートライン2017のプロデュース、小学校でのワークショッププログラムの実施など、幅広く活動。